研究室の概要
現在、新たに開発・製造される化学物質は、環境への負荷を抑えるための様々なリスク評価基準をクリアしていることは言うまでもありません。ところ が、実際は環境中で容易に分解されず生物に蓄積するものや、光分解や生物代謝を受けて強い残留性や毒性を示す物質に変化するものもあります。化学物質は、環境中でその本当の姿を容易に見せてくれません。
当研究室では、新規の人工化学物質を環境中から探し出し、その汚染実態、生物蓄積、経年変化、地球規模での移動拡散等を明らかにする調査研究を行っています。分析対象は、地下水・河川水・底質・土壌・生物を含むあらゆる環境媒体です。調査域は熊本県沿岸の有明海や八代海を始め、日本およびアジア地域を中心に海外にまで及んでいます。
最近は、社会的関心が高く、生物への影響が懸念されるマイクロプラスチック(MP)を中心に調査を行っています。陸域から淡水域、海域では深海まで幅広い環境を対象に国内外で調査を進めており、MPの環境中での分布や挙動、プラスチックに使用されている添加剤の環境負荷を明らかにするため研究を行っています。
研究テーマ
1) マイクロプラスチック(MP)に関する調査研究
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江津湖生態系(底質・魚類・水生植物等)のMP汚染と生物蓄積
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陸域におけるMPの起源推定
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紫外線等によるプラスチック製品の劣化実験
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一次産業由来のMP汚染
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プラスチック製品に含有する添加剤調査
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アジア域のMPとプラスチック添加剤の汚染負荷
2)水溶性難分解化学物質をトレーサーとした地下水への下水漏出評価法の検討
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調査域:熊本市・八代市・山鹿市・水俣市・人吉市・島原市(長崎県)・日南市(宮崎県)・西条市(愛媛県)・竹田市(大分県)
3)墓室副葬品の有機成分解析に関する考古化学研究
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仙台伊達家
※これまでの卒室生の研究テーマは【こちら】をご参照ください。
研究室の分析機器
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ガスクロマトグラフ質量分析装置(四重極型) Agilent社製 3台
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高速液体クロマトグラフ質量分析装置 Agilent社製
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FT-IR Agilent社製
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実体顕微鏡 ライカ製
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蛍光顕微鏡 ライカ製
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キューリポイントパイロライザー 日本分析工業製
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その他
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